金型工場見学 レゴの復刻ヘルメットが成型されるまで(2)

3Dモデリング後のCAMを使った金型の設計

工場の様子だけでなく、オフィスの方でも色々とやっていただいていた事がありました。

それは、3Dのモデリング!
ミニフィグのサイズをしっかりと計測し、3Dモデリングしなければヘルメットがしっかりぴったり篏合(かんごう)することはありません。

匠エンジニアリングさんでは、この3Dモデリングや筐体のデザイン、部品の形状の決定もできる3Dモデリングのプロが当然いらっしゃいました。

 

写真は、ヘルメットを作るのにあたって起こしていただいたミニフィギュアのモデリングデータです。レンダリングしていただいたので見やすくなっています。

小さな部品と侮るなかれ、金型は非常に複雑で大きい

そして、こちらが、金型を透過させて見せていただいたレンダリング。
中央に、水色や緑の部分が見えますが、そこがコマとなっています。
つまり、非常に小さな部品を作るのに、周囲にこれほどの型が必要となるわけです。金型代が一般的に高額な事がよくわかります。

さらに、拡大していただきコマの部分だけを分かりやすく見せていただきました。単純なヘルメットを一つ作るのに、ここまで複雑な金型が必要になりわけです。

注入口から樹脂が注ぎ込まれ、ヘルメットの頭頂部から下部の方に流れていき写真のような形でヘルメットが成型されていきます。
最終的には、上部のライナー部分が切り取られヘルメット部分だけ残り完成します。

金型同士を組み合わせる精度も非常に精密

工場を見学している際に、研磨0.02と記述されたメモも見つけました。
コマの表面を0.02mm研磨して金型にピッタリとはめ込むための作業指示なのかな? このメモからも想像できる通り、金型同士の篏合精度も非常に精密にできています。

電極から放電されるスパークで金属金型を削る

銅製のこんなものも見つけました。
これは、放電加工を行うための電極だそうです。

どういうことかというと、金型は、刃物(ドリル)で掘削する以外に、この電極から放電されるスパークの力をつかって金属の表面を破壊していく方法もあるという事でした。

放電加工は、鋭いエッジを出す際や、小さな物を作るのにも適しているという事と、機械的な掘削と違い、人が常時機械を見ていなければいけないという事がないため、夜間の間に無人で操作するなど、工場の稼働率を適正に保つためにも利用される工作方法だという事でした。

どのように加工されるかというと、上部に電極をセットして、下部においてある金属の塊に少しずつ近づけていき放電を行って表面を破壊し掘削していくことになります。

放電後の電極は、スパークが起きていた部分が黒く変色しています。

このような方法を駆使して、ABSやポリカーボネイト、ポリプロピレン、精密ゴムなどを成型する金型は作られていくことになります。

また、機会があれば是非来てみたい工場でした。
量産する金型を発注できたらまた工場見学レポート書きたいと思います。


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